朝早かったけど、
昨日のクレープ屋さんが開いていた。
朝早い、ということで、具はまだ到着していないけれど
具なしのプレーン(ナチュラルといっていた)なものならできる、
という事だったので、2ヶ頼む事に。
1つ2.5DH、ということで20DH出そうとしたら
朝早いせいかおつりがないという事だった。
すると、店内にいたおやぢさんが
「
その金をよこせ」と、ジェスチャー。
不審に思いながら渡すと、ソレをどこかに持っていって
10DHコインと5DHコイン2つに両替してきてくれた。
疑ってゴメンナサイ・・・www おねーさんに5DHを渡し、食べながら広場の方へ。
ホテルの前の前の道は、いつもと違いひっそりとしていた。

動いているのはパン屋の配達の車だけで

おみやげ物屋はまだ閉まっていて、お茶や水、パンを売っている
お店しか開いていない。
広場に出ると、箒を手にしたおぢさんや、何台ものゴミ収集車が
広場中に落ちているゴミの回収に追われていた。

この広場、こんなにも広かったんだなぁ・・・。
バス乗り場の方へ行き、バスが来なければタクシーを拾うつもりでいたが
バスがアッサリと来る。
バスに乗り込み、マラケシュとお別れをする。
とてもにぎやかで、毎日がお祭りのような街だったなぁ・・・。
あっという間にバスターミナルに到着する。
8:00a.m. モロッコのバスは
遅れるどころか、
時間より早く出発する事が多々あるらしい。 来い、といわれていた8:45よりも随分早く
窓口の前に着いた。
人気がなく、ひっそりとしている・・・。

チケット売り場のおやぢさんが近づいてきたので、
チケットを見せると、「ここにいなさい」といわれたので
お呼びが掛かるまでの間、ゆっくりと椅子に座って待つ事に。
お手洗いを済ませ(アラブ式お手洗い。チップを払う)、
少し眠たくなってきたところに、先ほどのおやぢさんがやってきて
「7番乗り場だ」と教えてくれ、バス乗り場の入り口まで案内してくれた。

バス乗り場には、観光バスが何台も何台も停車していた。
7番のところにいくと男の人が2人
「
サウィラサウィラサウィラ・・・」
と、何度も大声で行っている。
7番と言われたけど、このバスは「
サウィラ」行き???
チケットを見せると、これだと言われるので
バックパックを預ける事に。
バスの代金60DHに、バゲッジ代も含まれているはずだったので
「1人10DH」に「ノー」と言うと
「
ダメダ。払わないならチケットを破る」とチケットを破るしぐさを
されたので、「チケット代に含まれている」「ダメダ」の押し問答。
残念ながらチケットのどこにも
バゲッジ料金が含まれているかどうかがかかれていなかったし、
切符窓口のにいちゃんがぼってるのか、
このにいちゃんがぼっているのかは分からないけれど・・・。
もう、めんどくさいので20DH払ってバスに乗る。
バスには前と後ろに入り口があったので、前からのる事にした。

バスは指定席ではなく、自由席らしい。
女性2人組の前に座った。
シートはかなりゆったりとしている。
無事にバス乗れたし、シートに座ってホットしていると・・・。
出発までの間、物乞いやら、何かのクリーム売りや
お菓子売りが次々に車内にやってきて、乗客に話掛ける。
クリーム売りもお菓子売りも、言葉が通じなさそうな
私たちは素通りだったが・・・。
クリーム売りは、チラシを言葉の通じそうな乗客に
配って歩いて、ソレは熱心に商品の説明をしている。
が、ここの乗客が誰も買わないという事が分かると・・・。
明らかに落胆した顔をして、先ほど乗客に手渡したチラシを
一枚一枚回収して後ろの入り口からバスを降りていった。
外で、「サウィラサウィラサウィラ・・・」と呼びかけていた
男の人の声が止む。
あー・・・。「エッサウィラエッサウィラエッサウィラ・・・」を
ものすごく早口で言っていたんだ・・・。
9:05a.m. 声が止んだかと思うと、定刻どおりにバスは出発。
バスはじりじりと バックをする。
ゆっくりと、バスターミナルを出るが・・・。
バスターミナルを出るときにも、窓からカラダを乗り出した
バス職員が「サウィラサウィラサウィラ・・・」っと呼び込みを
しているではないか。
こんなとこで乗る人はいないんじゃないのだろうか・・・。
やがてバスは街中で出たが・・・。
今度は
5分もしないうちに売店の前で停車。
ドライバーや係員が水や朝食を買い、周りにいる人に向って
「サウィラサウィラサウィラ・・・」
バスは通りを歩く、大きな荷物を抱えた人を見かける度に
「サウィラサウィラサウィラ・・・」と停車をする。
これのどこが
ノンストップ・ダイレクト便 だというのか!wwwwww
街を出てから30分ぐらいのところで
(ちょっとした休憩所やお食事どころがあるところで)
後ろに座っていた女性のうちの1人が下車した。
すると係員がまた「サウィラサウィラサウィラ・・・」とやりだす。
バス停があるわけではないのに、人を見かける度に
「サウィラ・・・」とやりだして乗客を募る。
バスは人を乗せたりおろしたりしながら、カラカラに乾いた
道路を進む。
荷物の入った扉は、簡単に閉会が出来るらしく、
エッサウィラにつくまでに自分達のバックパックが残っているのか
心配になったが、なくなったらなくなったで仕方がない。

どこまでも続く麦畑や、のんびりと草をはむ牛や羊やロバ。
濃い紫の、鮮やかなアザミのような植物や
真っ白な、セリのような植物、黄色い花、可愛らしい赤い花・・・。
マラケシュ行きの電車から見たように、見渡す限りの農地や
牧草地を見ていると、ここがアフリカであるという事を忘れてしまう。

かと思えば、にぎやかな街中に入ったり。
↓よくよく見ると、胃だか腸だかのアミアミも売っている。
肉がむき出しでつりさげられているのに、不思議とハエがいない。 
しばらく行くと、また牧草地帯になったり。
街と農地をいくつか通り越すうちに
いつの間にか眠ってしまっていた。
11:00a.m. 気がつくと、周りの景色が一変していた。
マラケシュは、赤と青、という感じだったのだが・・・。
エッサウィラが近づいてきているのだろうか、
建物の色が白と青になってきた。
まばらに建つ、白と青の建物。
やがて作物が、麦からオリーブのような木に変わる。
「アルガンオイル」という看板が目に入った。
これは見渡す限りずーーーーーっと、アルガンの畑なんだろう。
エッサウィラまでもう少しだろうと思いつつも
どこまでも続く深いグリーンの畑を眺めていたらまた、
眠くなってしまった。
12:00p.m. ふと、目を覚ますと、左手側が何だかまぶしい。
時折、海が見える。
まもなくして、エッサウィラのバスターミナルに到着。
バスを降りて、預けた荷物を引き取る。無事に荷物は残っていた。
バックパックを背負い、とりあえず駅舎の中へ。
中には、バスの窓口が10ほどある。
エッサウィラからカサブランカへ行く為のチケットを
手に入れておきたい。
CTMという、国営バスの窓口があったので、
窓口に行くも・・・。
窓口にいた男性には英語がサッパリ通じなかった。
すると、紺色の征服に白いスカーフを纏った
四角いフレームの眼鏡がとっても似合う、
「秀才」と言った感じのおねえさんが対応してくれた。
スカーフを留めている、ビーズのついたピンがとってもオシャレだ。
カサブランカ行きのバスは、7:45とお昼発の便があった。
エッサウィラからカサブランカまではおよそ7時間かかるので
朝一番の便にする。
ノートに
1 May 7:45 Cassablanca と書いて、
「メイ ファースト セブン・フォーティファイブ カサブランカ」
というと、お姉さんはちゃんと聞き取ってくれて、
のぞみどおりのチケットをくれた。
チケットを仕舞い、バックパックを背負いなおして
CTMの右手側にある出口から外へ出ると・・・。
バスターミナルを除くと、人の気配が全くしない
淋しいところにでてしまった。
左右に壁が延々と続き、その路地に強い風が吹いていて
細かい砂が風に巻き上げられている。
風の鳴く、ひぅるるるるるるるる~っという細い声と
私たちが踏む、砂のサクサクという音だけが
私たちに応えてくれている感じ。
直ぐ傍に、ポリスメンがいたので
「メディナ(旧市街)?」と声をかけると
流暢な英語で
「まず、つき当たりまでまっすぐと進んで、つき当たったら
左に進むと良い」
と教えてくれた。
本当に、この先何もないような道だけど、
ポリスメンのいう事を信じて、つき当りを目指す。
途中で自動車を修理しているところに出くわした。
2人の男性がそれぞれ1台づつ、フレームだけになった自動車に
熱心にヤスリがけをしている。
日本だったら確実に退役であろうという車でも
ここでは大切にされ、人々の手でまた蘇えっている。
その姿をカメラに収めようとしたが・・・。
この砂埃の中ではカメラが壊れそうだったので諦めた。
そうこうしているうちに、つき当たりに差し掛かった。
左に曲がると・・・。
今までとは比べ物にならない、まさに突風と言える風が
吹いてきた。
たまらなくなって、サングラスをする。
突風は、次の角を曲がるまで続いた。
風の通り道に出てしまったんだろうか・・・。
角を曲がると、商店(雑貨・食料・衣料・毛布など)が現れて
人通りも増えてきた。
ふと前をみると、同じバスにのっていた、ヨーロッパ人らしき集団が。
バックパックを背負っていたので、彼らの行き先もメディナだろうと思い
後を付けて行く事に。
しばらく歩くと、彼らは足を止め、地図を広げだしたので
彼らを追い抜いて、しばらく道なりに進む。
エッサウィラは街全体が世界遺産だという風にきいていたけれど
今のところソレらしい感じが全くしない。
ところが、道なりに進んでしばらくすると、古い城壁が見えて
「ドウカラ門」と書かれた中世ヨーロッパを思わせるような
(形はイスラム風だけど)門が現れた。
門をくぐると・・・。
青い縁取りが美しい、白い壁の活気のある市場(生鮮食品・肉・
八百屋・雑貨・パン・お菓子・お土産屋)へ出た。

お母さん達が熱心に、品定めをしている。
とりあえずは、目標にしていた宿、海に面している「スマラ」へ
向おうとするが・・・。
ここのメディナも迷路のようで・・・。
地球の歩き方の地図も、あまり役にはたたず。
海沿いのホテルなので、城壁をぐるりとまわればいつかは
たどりつけるだろう。
そう思って、城壁沿いをぐるぐるまわってみるのだが
なかなか思うようなところに出られず。
ウロウロとしていると、10代後半ぐらいの男の子が
「どこに行きたいんだ?」と聞いてきた。
客引きで、後でチップをぼられるんだろうなーとは思ったが
汗だくになって疲れも出てきていたので、彼を頼りにすることにした。
彼はするすると細い道を移動する。
私たちはバックパックもあって、ノロノロとついていく。
いくつも路地を抜けると、海が近くにある事が分かる場所に出た。
上をみあげれば、カモメがホバリングしている。
スマラは本当に海・・・大西洋の目の前にあった。
最後の力を振り絞って、2階のフロントに行くと・・・。
「
あいにくだけど満室だ」とジェスチャーされてしまった。
さて、どうしようと考えていると、男の子が
「
ナイスホテルがあるからついて来い」と言う。
半信半疑だったけれど、気に入らなければ気に入らないと
言えばいいだけのこと。
とりあえず、彼にお任せして、そのナイスホテルに行ってみる事に。
またまた細い細い路地から細い細い路地へ。
たどり着いたところはまさに「隠れ家的な宿」だった。
細い路地の奥のそのまた奥の奥の奥、にあった・・・。

重そうな木の扉を男の子が開ける。
薄明かりの中に、ふくよかな「お母さん」といった感じの女性がいた。
とりあえず、空いている部屋を見せてもらう。
素朴でも温かみのある気のベッドや扉。
暖色のファブリックに、カラフルなガラスがはめ込まれた
モロッコのランプ。
タイルと銅の素敵な洗面所。
部屋から海は見えないけれど、屋上のテラスからは海が見える。

雰囲気が良かったのと、ママの感じが良かったので
エッサウィラの宿はここ決めた。
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